私的備忘録でもあります
母の部屋を片付けに行くと,古今伝授の里短歌大会から,短歌秀作賞の連絡が届いていた.
この歌は,今年の夏,お盆前に投稿されたのであろう.入賞の知らせが届くのが少し遅かった.

岐阜県郡上市(旧大和村)は,このあたりの領主一族であった東 常縁(古今伝授の祖)が,連歌師 宗祇に古今和歌集の講釈(古今伝授)を行った地.それをゆかりとして短歌大会が開催され,母は毎年応募していたようだ.

この里のフィールドミュージアムでは,「歌となる言葉とかたち展」という企画が行われる.何年か前に歌が選ばれたとき,かたちを担当されたのは,偶然にもI先生(私の4代前の教授)の奥様(陶芸家).母はこの不思議なご縁を喜んでいた.残念ながら,まだその時の歌は,残されたもののなかから発掘できていない.

母がいつ頃から短歌を始めたのかは判らないが,残されたものを見ると2001年頃から竹柏会「心の花」に作品が選ばれるようになった.

付箋がついたページを辿っていると,次のような歌があった.

「ただいま」とリュック揺らして帰りきぬ 父の墓辺を浄めんとして
さりげなく貴方の椅子に坐る子に夫の横顔かさねていたり
静かなるみ寺に一人つつしめば仏の声に聞こゆ ひぐらし
如月の安らぎ祈るわれ一人屋敷四辺に塩をふりたり
昼食のランチョンマットは桜色御飯ですよと呼ぶ人あらず

はじめの二首は,まだ田舎の墓じまいをする前で,母も田舎の家で一人生活をしていた頃,お墓参りに帰った私のことを読んだものだろう.

いろんな所に投稿されている母の歌.できる限り集めて,デジタルデータ化しようと思ってしまった.
なんとも大きな宿題を,自分で自分に課してしまったものだ.
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